コンビニATMが消費者金融に与えた光と影とは?
現在のキャッシングの形態が築かれ始めるのは1970年代に入ってからですが、当時のキャッシングというのは消費者金融の店舗のみで契約が行われ、貸出も直接利用者に現金を手渡し、返済は店舗へ持参するか、銀行振り込みしかありませんでした。
その後、CDが開発されると消費者金融においてもCDの設置と専用カードの発行が積極的に進められていきます。
その結果、キャッシングの利便性が増し、市民の間にキャッシングが浸透していきます。ただ、CDは出金しかできなかったため、返済における面倒な手続きは変わりませんでした。
そして、1990年代に入ってATMの誕生したことが消費者金融を最盛期に導くことになります。
ATMは出金だけではなく入金までできるため、利用者は借入のみか返済においても店舗に行く必要が無くなるとともに、消費者金融に行く後ろめたさを感じなくても済むようになりました。
また、ATMのおかげで消費者金融においてもキャッシング事業が効率化され、事業の拡大が進展することになります。
さらに、全国のコンビニにATMが設置されるようになり、現在のキャッシングの体系が完成します。そして、コンビニが利用できるようになったことでキャッシングに掛かる手間が大幅に減り、消費者金融に対する抵抗感も薄れ、利用者が急増します。
ところで、消費者金融のキャッシングでコンビニATMを利用すると手数料を取られますが、一昔前までは手数料が無料になっていました。
従来、金銭の貸し借りにおける手数料は「みなし利息」として金利に含めて計算されるようになっており、利用者から金利以外の費用を取ることが禁止されていました。
しかし、ATMの利用手数料はみなし利息から除外されていたため、ATMの手数料を自由に設定できることから、消費者金融は違法な高金利を背景にATM手数料を無料としていました。
ところが、2006年の貸金業法の改正によって上限金利が20%に下げられた上、ATMの利用手数料も一部みなし利息に含まれることになりました。ATMの利用手数料を金利に含めると20%の金利では吸収できないため、金利とは別に利用者から1万円以下は105円、1万円を超える場合は210円(当時)を徴収することになりました。
過去には消費者金融の発展に多大な貢献をしたコンビニATMですが、現在では手数料の負担が消費者金融の弱点となっています。
ちなみに、同じコンビニの利用でも、ローソンやミニストップにある「Loppi」や、ファミリーマートにある「Famiポート」などのマルチメディア端末を使うと、手数料を取られずに返済することができます。
金利と利息、返済期間の関係とは?
キャッシングに金利は付き物ですが、金利の数値次第で利息の額が変わってきます。特に、借入額が大きくなればなるほど、金利が利息額に大きく影響してきます。
例えば、金利18%で50万円の借入をし、1年間で返済する計画を組むと、利息は50,074円になります。ところが、同じ50万円を14%で借りられれば、1年間の利息は38,718円で済み、11,356円も少なくできます。
仮に、借入額が倍の100万円に増えると、条件が変わらなければ利息の差も当然倍に膨れ上がります。いかに金利が重要であるかという証でもあります。
しかし、金利だけが利息に影響を与えているわけではありません。金利よりももっと重要になるのが返済期間です。返済期間によっては低い金利のカードローンを選んでも意味が無くなります。
上記のように50万円を金利18%で借り、12ヶ月で返済すると、利息は50,074円です。そして仮に、金利を4%低い14%で借りられたとしても、返済期間を半年延ばして18ヶ月にすると利息は57,229円になり、7,155円も多く支払うことになります。
折角低い金利のカードローンから借り入れても、返済期間を安易に考えていると、思わぬ損をするということです。
今回のケースのように金利が14%だった場合は、返済期間を16ヶ月にすると利息が51,011円となり、18%の12ヶ月払いと同程度の利息となります。
つまり、金利を4%下げても、返済期間を4ヶ月伸ばすだけで4%分の得が消えてしまうということです。キャッシングを検討する時は金利だけを見るのではなく、返済期間の事を常に考慮しなくてはなりません。
なお、返済期間を長くするのは悪いばかりではなく、長くすれば当然その分毎月の返済額が少なくなるため、返済における負担が減るという大きなメリットがあります。
例えば、前記同様借入額50万円、金利18%、返済期間12ヶ月の場合の毎月の返済金額は45,839円です。
これが、金利14%、返済期間16ヶ月に代わると、毎月の返済金額は34,438円となり、約11,000円も少なくなって家計に占める負担が大幅に軽減されます。
以上のことから、キャッシングを利用する場合は、金利と利息、返済期間、返済額のバランスをよく検討しながら決めるのが賢明な策と言えます。
そして、このような複雑な計算をすぐにはじき出してくれるのが、カードローンのホームページある「返済シミュレーション」のツールです。消費者金融審査の後で後悔しないように事前の活用が必須と言えます。